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「アルゴルーーっ!!私はオムレツ作れって言ったじゃない!誰がスクランブルエッグ作れって言ったのよ!!」
アルメリアは女性特有の甲高い悲鳴のような声で叫ぶ
アルゴルは目をそらし、両手で耳を塞ぐ
これではどっちが年上かわかったものじゃない
「あんた剣も使えなきゃ、オムレツのひとつも作れないのね!ったくどーすんのよこれ!?」
アルメリアがタマゴの塊を指差し、それと交互にアルゴルの顔を見る
始めは黙って聞いていたアルゴルだったが、はぁとため息をつき、ちらりとアルメリアを見た後塞いでいた手をどけた
「わかったよ、わかったって。これをどうにかすればいいんでしょ?」
「どうにか・・ってあんたが食べてはい、おしまい。とかやめてよね。どーするつもり?」
アルゴルはアルメリアの言葉を無視し、オムレツ(?)ののった皿と今しがたアルメリアがいれたコーヒーを両手に持ってキッチンから出た
コーヒーはいれたてで温かい湯気がコーヒーの香ばしい匂いと共にアルゴルを包んでいた
オムレツを注文した女性はテーブルの上にあった茶色のノートをかばんにしまい、また新たに分厚い参考書を取り出していた
よっぽど集中しているのか近付くアルゴルに気づく気配もなく、忙しそうに邪魔な横髪を耳にかけている
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