始まりは空舞うチョークと共に

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神歴時代、それはこの世界に神のみが存在した時代 世界の始まりはこの時代と言われている その時代は今よりも遥かに進んだ文明が栄えた時代だった ――と、ここまでは正しいのだが、問題は次からである――― その時代に存在した神々は子供を作ることができなかった しかしどうしても子供を作りたい神は、その聖なる力によって神の子である人間を創った 神々はいつでもその子を見守っていられるように、大地を人間に与えた それがこの世界ビジューボイドだという だが自分の子供を見守ることしか出来ないことに耐えられなかった神や、人間の自由さに憧れて地上に降りてきた神もいる それが今日の神術使いの種族である神族である ――というのが広く一般世間に知られているまるで伝説のような歴史 だけど真実は違う アルゴル――真名をシリウスという神族の人間は知っていた 今やそこらの神族でさえ知らない本当のこの世界の真実を―――― その昔神々は戦争を起こした 戦争の内容は現代といたって変わらない くだらない王権の奪い合い しかし数百年と長い年月を生き、残せる子孫が少ない神は戦力増加をはかり、禁忌の術である生命創造を実行した そこで生まれたのが、神としての力を持たない劣化したモノ、人間だ
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