離夜…

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一人の男が寒い夜の中腹部から血を流しフラフラと歩いていた              着ている服は血に染まり、腹部をおさえている手からは血が滴り落ちている。       それでも男は懸命に歩いている              人の気配を感じ前方を見ると、一人の女性が男に向かって歩いて来ている。        女性も男に気付き男の方へ走りはじめた。         男は必死にその女性に手を伸ばしながら歩く。       女性も男の手を掴もうと走っている。           女性が男の手を掴もうと手を伸ばした。          だが、女性が男の手を掴む前に男は倒れてしまった。    女性は男の頭を膝に乗せ泣きながら何か呟いている。                                              空から一粒の雨が女性の頬に落ちた。
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