使い魔契約

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その頃…… 陽一は、眠りについていた。 そして夢を見ていた。 地球にいた頃の夢だ。 「ダアアアア!」 そう叫びながら、竹刀を打ち込んでくる。 …これは……この前の大会の、決勝戦……。 俺が、相手の剣をやる気なく受けながら、隙を見つけて勝った試合だ……。 思った通り、相手はバシバシ打ち込んでくるが、俺は、軽く受け流していた。 やっぱり、最強だったんだよな……俺。 今では、ルピアにボロボロにされ、自信を持てなくなっていった。 ……あの頃に戻りたい。 でも、それは無理な話だ。 その時、夢の中の俺は、相手を倒し優勝―――― するはずだった。 「次は、特別ゲストと戦っていただきます。」 はぁ? 特別ゲスト? そんなのいなかったぞ。 過去と夢が違い出した。 そして、ゲストとして現れたのは……ルピアだった。 そして、俺はルピアと戦ったけど、決闘の時みたいに、負けてしまった。 ルピアを見ると、俺を見て、笑っている。 ……こんなに嫌なやつだっけ? ……悪夢はそこで終わり、目が覚めた。 すると、目の前には、ルピアが立っていた。 「あれ?ルピア、お前授業中じゃねえのか?」 それとも夢か? 「今すぐ中庭に来なさい!」 それだけ言って、ルピアは、煙の様に消えてしまった。 ……行かないと怒られそうだな。 そう思い、立ち上がった。
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