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龍「うん!!僕、お姉ちゃん大好きだよ!!」
俺の願い通りリュウタは気付かなかったが、俺に"好き"と言った時と同じ位の満べんの笑みで頷くリュウタを見て、複雑な気持ちになる。
鈴「そっか…。なら、リュウタの大好きなお姉ちゃんに会いに行くんやから、ちゃんと用意せなな。」
今出来る精一杯の笑顔で俺はリュウタの頭を撫でながら言う。
龍「……?うん!!」
一瞬不思議そうな顔をしたが、またすぐ笑顔で頷き用意しに行く。
なんで、こんな複雑な気持ちやねんやろ…。
まっ…。
俺が、リュウタを特別な意味で好きやから、複雑なんやろな…。
こんな状況になってから、気付いた俺はアホとしか言い様あらへんな…。
でも、自分を特別に好きで居て欲しいと思う反面、まだそんな色恋沙汰に疎く子供のままで居て欲しい自分もいる。
特に、自分とリュウタは同性だから、もし、特別に好きなら健全な考えではない事になる。
それは、良くないと自分でも分かっているから…複雑なんだと思う…。
でも、いつまでも暗い考えでいる訳にもいかんし、愛理さんと一緒の好きで、ええ事にしとこ。
毎朝の恒例行事や求愛してくるんは、ただたんに甘えたいのと、俺の反応が楽しいからと、からかって遊んでるだけと思えば、少しは楽になる。
リュウタに間違った道を一緒になんか思ったらあかん。
親の目線で考えたらんとな…。
こんな複雑な気持ちをするんは、俺だけでええんや…。
リュウタは知らんで…ええ…。
そんな事を考えながらも、着々と出かける準備をする。
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