鈴村さん家のリュウタ君 act1

4/12
前へ
/26ページ
次へ
  龍「うん!!僕、お姉ちゃん大好きだよ!!」 俺の願い通りリュウタは気付かなかったが、俺に"好き"と言った時と同じ位の満べんの笑みで頷くリュウタを見て、複雑な気持ちになる。   鈴「そっか…。なら、リュウタの大好きなお姉ちゃんに会いに行くんやから、ちゃんと用意せなな。」 今出来る精一杯の笑顔で俺はリュウタの頭を撫でながら言う。   龍「……?うん!!」 一瞬不思議そうな顔をしたが、またすぐ笑顔で頷き用意しに行く。               なんで、こんな複雑な気持ちやねんやろ…。     まっ…。 俺が、リュウタを特別な意味で好きやから、複雑なんやろな…。   こんな状況になってから、気付いた俺はアホとしか言い様あらへんな…。     でも、自分を特別に好きで居て欲しいと思う反面、まだそんな色恋沙汰に疎く子供のままで居て欲しい自分もいる。 特に、自分とリュウタは同性だから、もし、特別に好きなら健全な考えではない事になる。 それは、良くないと自分でも分かっているから…複雑なんだと思う…。       でも、いつまでも暗い考えでいる訳にもいかんし、愛理さんと一緒の好きで、ええ事にしとこ。     毎朝の恒例行事や求愛してくるんは、ただたんに甘えたいのと、俺の反応が楽しいからと、からかって遊んでるだけと思えば、少しは楽になる。       リュウタに間違った道を一緒になんか思ったらあかん。 親の目線で考えたらんとな…。             こんな複雑な気持ちをするんは、俺だけでええんや…。 リュウタは知らんで…ええ…。                     そんな事を考えながらも、着々と出かける準備をする。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加