食事パラドックス

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 ところで食事には割と気をつかうのだけれども、そこには僕なりの規準や価値観があるわけです。  御飯の美味しさというのはかなり曖昧なもので一概に言えないのだけれど、新鮮な食物をきちんと手間をかけて作った料理はやはり美味しいと思う。食べ物本来の味は出来合いのものを食べ慣れている人にはなかなかわからないし、家で御飯を食べていても調味料にも製造のスピードを早める為やコストを安上がりにする為の添加物が入ってるものがほとんどなのでその味を知る機会はほとんどない。  合成調味料が含まれていないものに食べ慣れると、そんな味がするわけないという感じで添加物に気付くと思う。  だからといってどちらが美味しいかとかはそれぞれの価値観の問題である。 健康に不安を感じる方は控えたほうが良いとは思うけれどね。  分かりやすい例でいうと炒飯を作るときに旨味調味料(いわゆる味の素など)を入れる入れないで作ると味に雲泥の差がでる。  その反面でそれほどの力をもつ旨味調味料が怖くなったりもするのだ。それと美味しさのもう一つは愛情だと正直思う。  それが料理に向けられるのか食べている人に向けられるのかもあるけれどそれが欠けているとやはり素っ気ない気がする。コンビニとかの出来合いのものが嫌いなのはそれだと思うだ。  僕が社員食堂なんかに行くと、真っ先に仲良くなるのは そこのおばちゃんやおじちゃんである。お金を払っていてもなんだかんだ毎日御飯を作ってくれてるから感謝もあるし、何より美味しい御飯を食べる為にそうするのだ。  こういうととってもグルメで嫌味な奴だなあと思うかもしれないけれど、そもそも、料理は慣れていてもそれなりの時間はかかるものだし、運送技術や冷凍技術が発達してない頃はご当地ものや旬のものしか食べられなかったのだ。  いつでも同じものが食せる反面、昔当たり前だったものがブランド化し贅沢と呼ばれるようになり、食べる楽しみが減ったような気がする今日この頃である。
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