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「・・・・・・僕、勘違いをしてたんですね」
『僕』と自分の事を言ったロールパン。素で話しているのかいつものつんとした唇ではなかった。
「その優しさと僕を許せる包容力、それに兄さまの束縛にも耐えられそうな柔軟な考え。
お姉さまは兄さまに釣り合わないのではなく、兄さまにとって理想のお姉さまだったのですね!!」
いつの間に距離を縮められ、手を握られる。
電波な発言は会長で慣れていたつもりだったが、ロールパンの発言はかなりの威力だった。
「兄さまの理想の女性・・・・・・。僕のお姉さま、これからは兄さま同様に僕の事も末永くよろしくお願いします」
「なに手なんか握ってるんだ!!俺の副会長から離れろよ!!」
似たもの兄弟に挟まれる。
今日一日で驚いた事はあったが、まさか自分に弟が出来るとは驚きだ。
呆れて物言えない状態の自分を、仲間である書記くんと会計の彼女は含みのある笑みで眺めていた。
「私は副会長と会長を応援しますよう」
「俺は副会長にかまってもらいたいから寂しいけどー。会長ならしょうがないかな」
花火の音が外から響く。
盛り上がる生徒の声が文化祭の成功を意味していた。
頼りになる仲間に、愛しい生徒会長。
「まあ、私こそ副会長としてこれからも頑張りますので、よろしくお願いしますね」
「可愛い顔で副会長としてだなんて恐ろしい事を言う。俺こそもう君しか居ないんだから、君の隣に居させてもらうよ」
ー*ー
そして、明日もいつまでも私の隣には貴方がいる。
愛しい、愛しい私のパートナー。
end
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