はちみつしんどろーむ

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「……あの、友達と遊ぶ予定だったんだけどその子が他に男の子を連れてくるっていうから、その怖くなっちゃって」 「……」 胸の奥から熱くなる。 僕の彼女が他の男に会う? 嫉妬で狂ってしまいそうだ。 そして、その虫を連れてくるというバカな哺乳類に殺意がふつふつと込み上げる。 「ごめんなさい、蜂矢くんも予定があるよね。変な話ししちゃってごめんね」 彼女が席に戻ろうとする前に彼女の腕を掴んでいた。 ふくふくした彼女の腕はマシュマロのようで、僕の熱で溶けてしまいそうだ。 沸騰しそうな僕の頭は混乱してしまい、次には失言をしてしまった。 「じゃあ僕と出かけよう!」 ロミオとジュリエットのような発言に恥ずかしさが込み上げると共に、自分の失言に後悔する。 友達が連れてくる男が怖くて困っている彼女に、僕(ストーカー)がデートにさそってどうするんだ。 彼女に嫌われたらどうしよう。 もう、希望もなくなり死んでしまいたくなる。 でも死ぬなら彼女のリップを手に入れてから死にたい。 そんな事を考え、彼女の様子をチラリと見る。 林檎のような頬に、さらに耳まで真っ赤にさせていた。 僕が掴んだ腕はそのままでいるのが不幸中の幸い。もう少しこの感触を堪能したい。 「でも、蜂矢くん迷惑でしょ……」 遠慮ぎみに声を出した彼女。 僕の発言に対し、あまり否定的ではない。 彼女の腕を引き、距離を縮める。 不安そうな彼女はやっぱり僕には官能的だ。 「迷惑じゃないし、灰田さんが困っているのにほっておけないでしょ」 あくまでもクールを意識して、学校での僕のイメージに忠実に答える。 内心は彼女が他の男に会う事を全力で阻止する事に必死だ。 「……あ、ありがとう」 俯く彼女の表情が見れないのが残念だ。 周りを見渡すと、他の客や店員は僕達に注目していた。 あれだけ恥ずかしい発言をしたのだから当然か。 僕は黙って彼女の鞄を持ち、喫茶店を出る。先に会計を済ませる所だったので足早に彼女の腕を引いて店を出る。 相変わらず彼女は恥ずかしそうに俯いていた。
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