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彼女の手を引いて、どこに連れていこうか考える。
繁華街は避けたい、彼女が疲れてしまう。
かと言って、人気のない場所は彼女に警戒されてしまう恐れがある。
あくまで、スマートに潤滑に事を運ばなければいけない。
なんといったって彼女との初デートだ!
手に汗をかいてないか心配になる。
彼女と手を繋いでる緊張感と嬉しさの中で、脳内は沸騰したようにぼうっとする。
彼女の様子を見ると少し汗ばんだ首筋に、肩で息をする彼女。
僕の歩幅に合わせて歩いていた為に、彼女に無理をさせてしまった。
「ごめん!歩くの早かったよね」
「私こそごめんね、すぐ疲れちゃって」
呼吸を整えながら彼女は返事を返す。
彼女為と思い、名残惜しいが手を離した。
「えっと、甘いもの好き?
良かったらケーキとかパフェ食べに行かない?」
「えっ!食べたい!!」
頬を紅潮させ、大きな目をさらに丸くし彼女は少し興奮した様子で返事をした。
彼女が甘いもの好きで、特にケーキやパフェなどの生クリームたっぷりな物を好んでいるのはすでに知っている。
その為にスイーツ店やカフェなどはリサーチ済みだった。
「じゃあ僕のオススメのお店行こう」
元気よく返事をした彼女は両手を子供のように振って、僕の横について歩き出す。
その幼さも堪らなく好きだ。
彼女を間近で感じ、夢のような事態に改めて顔がにやけてしまう。
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