盲目患い

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彼女と出会ってから仕事も増え、忙しくなったが彼女と会う時間だけは必ずとっていた。 『今度アルバムも出すんだね』 演奏が終わった後に彼女が来月発売のアルバムの話しをしてきた。彼女は学校での出来事や日常の他愛ない話しをするが、俺の仕事の話しは初めてだった。 「知ってたんだ。嬉しいよ。 君の為に作ったオリジナルも入っているんだ」 アルバムに収録されているもので一曲だけ彼女の為に俺が作ったものがあった。 本当はアルバムが発売されたあとに彼女にプレゼントしようと考えていた曲だ。 「プロデューサーや事務所の評価も良くできたんだ。 今度君の為に弾くから楽しみにしていて」 『……最近モデルのお仕事もしているの? この間、友達が見せてくれた雑誌に載っていたからびっくりした』 プロモーションも兼ねてモデルや雑誌の取材も受けたが、モデルの仕事に関しては評判がよかったので今も続けていた。 俺の仕事に関心を持ってくれた事は嬉しかったが、彼女は視線を下に移したままだった。 「モデルはピアニストとしての活動のプロモーションだよ。 それより今日は体調が悪いの?なんだか元気がないね……」 彼女は視線を上げると笑顔で大丈夫と応えた。 その時は気にも止めなかったが、この日から彼女は音楽室に寄らなくなってしまった。 、
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