その後のお話

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ぺたぺた ぷにぷに 「────ん……?」 頬を柔らかい何かで触られる感触に目が覚めた。 まだ眠いと主張する瞼をこじ開け、感触の元凶を確認する。 「……おきた?」 「……うん」 そこには、一匹の人語を解する『猫』がいた。 どうやら、頬に当たっていたのは肉球らしい。 「ふわぁ~……今何時?」 「……ろくじさんじゅっぷん」 欠伸をしながら尋ねると、そう返ってきた。 「じゃあ、飯にしようか」 「うん!」 くしゃり、と頭を撫でながらそう言うと、そう元気な返事があった。 「────じゃあ、これはお前の分。こっちは俺のな」 「カリカリ、すくない」 不満げに呟く『猫』を余所に、俺は朝食────インスタントラーメンを啜り始める。 「カ~リ~カ~リ~す~く~な~い~」 「そんな風に言ってもダメ」 「む~」 むくれる『猫』を撫でてやり、言う。 「明日バイト代入るから、明日は特別に"カンヅメ"買ってあげるから、ね?」 「ほんと?」 「うん」 「やったぁ~!」 無邪気に転げ回り、喜びをあらわす『猫』 それを横目でみてほほえましく思いながら、ラーメンを再び啜り始めた。
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