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俺は、機体を加速させて試験速度での飛行を開始した。
機体の加速力は上々だ。現在の主力戦闘機のVF-17なんかとは比べ物にならない。加速力に置いては遥かに速い。
「この機体なら……。」
その時、コントロールルームのイーサン・グラップ大佐から通信が入った。
彼はかつての大戦でバルキリーのパイロットとして活躍し、今は試験パイロットの育成をしている大柄な黒人男性だ。
「ファルコン・デルタ。そちらに無人の演習機を28機回す。どれ程の物かやって見せてもらおう。」
「大佐。28機なんて無茶です。クラウド小尉は今日がテスト機初搭乗なんですよ?」
大佐の課題に、馴染みの赤鬼がチャチャを付けるのが聞こえた。
「了解。」
「クラウド!あんた馬鹿?今日が、完熟飛行なのに出来るわけ無いでしょう!」
「任せとけって。大佐。いつでも良いですよ。」
「フン。では行くぞ。」
その瞬間、俺の眼前におびただしい数の戦闘機が現れた。と同時に熱原レーダーに感知。ミサイルだ。その数、約50発。
俺は機体を加速させ、急速反転させてミサイルをばら蒔き、機体をバトロイドに変形させた。
強烈なGが身体を締め付けてくる。
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