プロローグ

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西暦2099年、春。 「この家なんか良さそうじゃないか?」 この質問を聞いていたのは、話しかけられた覆面の男の他に、もう1人いた。 喉が渇き、自販機でジュースを買ってきた少年。 12歳の子供でも簡単にわかった。 強盗だ。 相手は大人で、2人もいる。 2人の右のポケットからは、拳銃らしきものが頭をのぞかせている。 夜中の2時、まさか誰かに聞かれているとは思わなかったのだろう。 しかもそれが、今まさに侵入を試みようとしている家の子供とは…。 男達を無視して家に入っていけば、忍び込まれることもなくなるだろう。
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