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しかし、引き止められたら殺されてしまいかねない。
少年は悩んだ。
このまま曲がり角で様子をうかがっていたって、危険だ。
どのみち危険なら…。
勇気あるその決断は無意味だった。
「まあ、ここにしとくか。鍵が開いていればいいんだがな…」
男達は玄関の方に行ってしまい、息をひそめていた少年が出て行くことはできなくなった。
「おい、鍵開いてるぜ」
「声がでかい。…今日はついてるな」
今日が初めてではないらしい。
少年は絶望的な気分になった。
いくらジュースを買うだけでも、鍵をかけるべきだった。
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