プロローグ

3/5
前へ
/274ページ
次へ
しかし、引き止められたら殺されてしまいかねない。 少年は悩んだ。 このまま曲がり角で様子をうかがっていたって、危険だ。 どのみち危険なら…。 勇気あるその決断は無意味だった。 「まあ、ここにしとくか。鍵が開いていればいいんだがな…」 男達は玄関の方に行ってしまい、息をひそめていた少年が出て行くことはできなくなった。 「おい、鍵開いてるぜ」 「声がでかい。…今日はついてるな」 今日が初めてではないらしい。 少年は絶望的な気分になった。 いくらジュースを買うだけでも、鍵をかけるべきだった。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加