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「せめて上が源頼朝を貸してさえくれれば楽なんだろうが…」
「バカ。そんなことしたら持ち逃げされちまうだろ」
このやりとりの間、少年はずっと足をつねっていた。
夢に違いない、と、何度も…何度も…。
「それにしても上は本気で聖徳太子を一般人が持ってるとでも思ってんのかな」
「聖徳太子クラスのレーカが目標ってだけだろ。どんなレーカだって買い取ってくれるんだ、文句言いっこなし」
男達は電柱に隠れた少年に気づかず通り過ぎた。
少年はよろよろと立ち上がると、家の中に入った。
家族を見る前に、受話器に手をかけた。
手が震えて、警察や救急車を呼ぶにもかなり手間取った…。
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