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「フォンブラウンから本コロニー港行きのシャトルは、紛争回避のため約四時間ほど遅れて到着しております。お客様には大変ご迷惑をおかけしました。」
サイド6の、とあるコロニー。そこのコロニー港で、このようなアナウンスが何度も鳴り響いている。
そんな中ルチーナ=レビンは荷物受け取り場の出口で携帯ナビを扱いながら、一週間ぶりに修学旅行から帰ってくる妹を待っていた。
その時間、約四時間。
まあ普通なら遅れる時間を確かめて、家に帰り時間を潰すなりするだろう。しかし紛争発生の為にミノフスキー粒子の濃度が濃くなり、コロニー港側も一体何分ぐらいシャトルが遅れるか完全にハークしていない状況が発生。勿論、コロニー港側が分からないことはルチーナにも分かるわけがない。
その為、いつ着くか分からないシャトルの為に、こうやって家にも帰らずにコロニー港で妹の帰りを待っているのだった。
まあ、それでもこれだけ時間が経てば、諦めたりする物だが。
しかし、それももう終わりだった。妹から到着を知らせるメールが来た。
携帯ナビを閉じ、顔を上げるルチーナ。
「ふぅ。やっと来たみたい。」
その視線の先には大きな荷物を持った、妹プルツー=レビンの姿があった。
プルツーが一緒にいたメリルを含む2、3人の友達と別れをつげ、ポーンと軽いステップでルチーナの元に飛んでくる。軽重力区なので、こういう動きになる。
ルチーナは手を自分にも降ってくるプルツーの友達に手を振り替えし、妹と向かい合った。
「まさか。待っていてくれるなんて思っていなかったよ。」
少し驚いた顔で、プルツーが言う。
その言葉に笑顔を作り、冗談混じりに言葉を返す。
「だってプルツー寂しがりやなんだもん。絶対ホームシックにかかってると思ったから。」
「私が、寂しがりや、、、、。」
そのセリフにたじろぐプルツー。しかしすぐに、目の色を変えて言葉を返してくる。
「あのな。私がホームシックにかかるなんて本気で思っているのか?。」
目を丸くするルチーナ。
「えっ? かからなかったの。」
「かからなかったのって、、、、。」
予想外の姉の反応に、「うっ」と再びたじろぐプルツー。
ルチーナは、目を伏せる。そして寂しげな表情で口を開いた。
「私の事、気にしてくれていなかったんだ。」
「るちぃ、、、、ナ。」
心配そうに姉の名を呼ぶプルツー。そして、、、、
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