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「それにしても俺驚いたよ。ルチーナ、プルツーともの凄く仲良さげだったから。」
シャングリラコロニー、シャトル港の近くのホテル。お世辞にも、良いホテルとは言えなかったが、ルチーナ達は、プルツー、ビーチャの二人を除いて、食堂の大テーブルにて話しに花を咲かせていた。
時刻は18時を回った辺り。外の景色は人工の夕焼けで、オレンジ色に染められていた。
モンドの言葉にエルが続ける。
「あたしはプルツーの『お前は黙って私にしがみつかれてろっ』ってセリフに驚いたけどなぁ。こんな大胆な事言えるようになったんだなぁ、って。
ま、相変わらず口は悪いみたいだけど。」
ルチーナは頭に、エルのセリフに一つの疑問が浮び、笑顔で尋ねた。
「ねぇ、エル。私達の会話、何処の辺りから聞いてた?」
少しだけ、何処の辺りから居たのか気になった。
「え、何処からって?」
エルが考え込み口を開く。
「荷物受取所から出てきた辺りからでございますが。」
そして、小悪魔みたいな表情で口を開く。
「ひょ~っとして、聞かれたくなかったとか?」
何を期待してるんだか。、、、、でも残念エル。
ルチーナはクスリと笑って首を横に振り、本心を言う。
「ううん。きちんと聞かれていて良かった。変な誤解されなくてすむから。」
「あ、それもそっか。」
わざとらしく納得するエル。
ルチーナはそれに笑顔で対応すると、何となく自分にピッタリとくっついているプルツーに目を向けてみた。
視界に入ったのは、つまらなそうに、本当につまらなそうに、ドクターマンボウに目を向けているプルツーだった。
イーノが口を開く。
「ルチーナ。」
「ん?」
「なんでプルツーは本読んでるの?」
「あ、それは。ちょっと現代文の成績が悪かったから。私が本を読むように薦めてるの。
なかなか読んでくれないんだけどね。」
まあ、こんな場面で読まなくても良いと思うのだが。プルツーが自分から読んでいるので仕方がない。
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