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しばらく続く沈黙。それを破ったのは、エルの「ルチーナ。コーヒーにミルク入れる?」という質問だった。
ルチーナが、
ビーチャって何か凄いなぁ。
と思いながら、ミルクを受け取っていると、イーノが思い出したように声を上げた。
「まったく何なんだよアイツはっ。」
そして、、、、。
「なぁエルっ。」
話を降られたビーチャのガールフレンドは、意外と何ともなさそうな表情で口を開いた。
「ま。大丈夫じゃないのかな。」
「何がだよ。」
イーノの言葉にエルはプルツーの肩に手を置いて、まるで彼女に語りかけるようにして答えた。
「プルツーとルチーナのこと。ビーチャの奴も結構心に響いてたみたいだからさ。」
プルツーが少しだけ目を見開いて、エルに視線を合わせる。
エルはそんな彼女を、
「大丈夫だって。プルツーの作戦上手く行ってるよ。」
勇気づけるかのように口を開いた。
プルツーが一瞬俯いてニヤリと口元に笑みを浮かべると、ゆっくりと立ち上がった。そして、
「ルチーナ。ちょっと気分的に疲れたから部屋で休んでくるよ。」
と口を開いた。
ビーチャに続いて、妹の突然の行動。しかしルチーナは取り乱すことなく口を開いた。
「気分的にって、ビーチャのせい?」
そうだと思った。そうだと思ったのだが、プルツー返した言葉は、、、、。
「残念。お前に買って貰ったこの本のせい。」
「あ、あのね、、、、。」
とんでも無いことを言うプルツーに、ルチーナは身体の力が抜けそうになるのをなんとか堪え、言葉を漏らした。
プルツーがポイッとドクターマンボウをテーブルの上に放り投げて、憎らしげな笑顔で口を開いた。
「10ページぐらいは読んだからさ。」
「あれだけ読んで10ページですか。プルツーさん?」
「あれだけ読んで10ページですよ。お姉様。」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ぷっ。
ルチーナは自分の口調を真似してきたプルツーに、つい吹き出してしまった。
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