第一話「へたれ、プルツー」

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 しばらく続く沈黙。それを破ったのは、エルの「ルチーナ。コーヒーにミルク入れる?」という質問だった。  ルチーナが、  ビーチャって何か凄いなぁ。 と思いながら、ミルクを受け取っていると、イーノが思い出したように声を上げた。 「まったく何なんだよアイツはっ。」 そして、、、、。 「なぁエルっ。」  話を降られたビーチャのガールフレンドは、意外と何ともなさそうな表情で口を開いた。 「ま。大丈夫じゃないのかな。」 「何がだよ。」 イーノの言葉にエルはプルツーの肩に手を置いて、まるで彼女に語りかけるようにして答えた。 「プルツーとルチーナのこと。ビーチャの奴も結構心に響いてたみたいだからさ。」  プルツーが少しだけ目を見開いて、エルに視線を合わせる。  エルはそんな彼女を、 「大丈夫だって。プルツーの作戦上手く行ってるよ。」 勇気づけるかのように口を開いた。  プルツーが一瞬俯いてニヤリと口元に笑みを浮かべると、ゆっくりと立ち上がった。そして、 「ルチーナ。ちょっと気分的に疲れたから部屋で休んでくるよ。」 と口を開いた。  ビーチャに続いて、妹の突然の行動。しかしルチーナは取り乱すことなく口を開いた。 「気分的にって、ビーチャのせい?」 そうだと思った。そうだと思ったのだが、プルツー返した言葉は、、、、。 「残念。お前に買って貰ったこの本のせい。」 「あ、あのね、、、、。」 とんでも無いことを言うプルツーに、ルチーナは身体の力が抜けそうになるのをなんとか堪え、言葉を漏らした。  プルツーがポイッとドクターマンボウをテーブルの上に放り投げて、憎らしげな笑顔で口を開いた。 「10ページぐらいは読んだからさ。」 「あれだけ読んで10ページですか。プルツーさん?」 「あれだけ読んで10ページですよ。お姉様。」  、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ぷっ。 ルチーナは自分の口調を真似してきたプルツーに、つい吹き出してしまった。
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