第2話「フライパンと焼けたお尻。」

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第2話「フライパンと焼けたお尻。」

 シャングリラコロニー。ここの商店街。土地柄的に人気の無いこの商店街で、ブラウンのパンツに真っ白なシャツを着た、ブロンド、ベリーショートの少女がショウウィンドウに張り付いていた。  名をエル=ビアンノといった。  うう、、、、。  恋する瞳で、ショウウィンドウの中を見つめているエル。中に有るのは最新型のナビだ。 「いいよ、、、、。いいよぉ~。これ、、、、。」 欲しかった、本気で欲しかった。今直ぐにでも持って帰りたかった。  、、、、、、、、、、、、、、、、、お金が有れば。  この最新型のナビ。最新型であるだけに値段が高く、12歳の割に稼ぎの良いエルでさえ、手が届かなかった。  一方。彼女の背後では、たまたまエルと一緒に学校から帰っていた、ブラックジーンズにイエローのロングウィンドブレーカーを少年。ビーチャ=オーレグが、その様子をぽかんと口を開き、脱力した様子で見つめていた。  あ、そうだ! エルがポンと手を打ち、ビーチャに振り返った。「ねぇ、ビーチャ。明後日何の日か知ってる?」 さて、何の日か。それはエル本人の誕生日である。エルは、誕生日のプレゼントとして、ビーチャにナビを買って貰おうかなと思ったのだ。  まあ、ビーチャと自分は財布の中身が同じ様な物なので、この事に関してはあまり期待はしていなかったが。  資金援助ぐらいしてくれるかもね。 という期待は有った。  自分に指をさし、答えをアピールするエル。しかし、ビーチャから返ってきた言葉は、、、、。  ビーチャが、ニヤリと笑みを浮かべて速答する。 「勿論知ってるぜ。」 エルの表情が、パァっと明るくなる、が。  流石、幼なじみだよね。 と、思った矢先。 「駅前のブティックがオープンする日だろう。」  ズルッ。
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