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「なっ、、、、何でだよ。」
「何でって、、、、」
ビーチャが相変わらず馬鹿にしたような目をして、口を開いた。
「自分で分かんだろ。まず、その女らしくねぇ性格。そして、、、、
、、、、そ・し・て?
ビーチャがエルに手を伸ばして、髪を摘む。
「何だこれ? 俺のより短いじゃねーか。」
そんなビーチャを上目遣いで睨み付けるエル。別に髪は、短くしたくて、短くしている訳ではないのだ。なにしろ、ジャンク屋などを営んでいる身分。髪など伸ばしたら、あっという間に汚れてしまう。しかもエルの髪はブロンド、普段は自慢の色なのだが、その分汚れなどは尚の事目立ってしまうのだ。
それなのに髪を伸ばすのは、かなり勇気がいる。だから髪は出来るだけ短くしていたのだが、、、、。
ビーチャに色々と言われて、女としてのプライドを深く傷つけられたエルは、プイッっ顔を背けてこう宣言した。
「いいよ。別に。伸ばすからさ。」
一大決心だった。それなのに、、、、。
ビーチャが笑みを浮かべて、口を開く。
「なんだよ。悪あがきか?」
、、、、、、、、、、、、、、、コノヤロ。
エルはそろそろ、ビーチャに『あの世を拝んできてもらおうか。』と思った。すると、聞き慣れた声が耳に入ってきた。
「ビーチャッ。エルーっ!」
エルが声のした方に目を向けると、イーノ=アッバーブが息を切らしてこちらに走ってきていた。
「ど、どうしたのさ。イーノ。」
エルが尋ねるとイーノが目の前で立ち止まり、そして呼吸を整えてこう口を開いた。
「見つかったんだよ。大破したサラミスの中に隠しておいたRGM系のマニュピレーターがさ。」
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