第一話「へたれ、プルツー」

2/13
前へ
/58ページ
次へ
 一学期の終業式が終わった、7月19日のよく晴れたある日。  ルチーナ、ロイ、そして眼鏡をかけたプルツーのレビン家一同は、プルツーの担任の先生に呼ばれて進路指導室に来ていた。  ナビの前に座った先生に対して、プルツーを中心にロイ、ルチーナが席についている。  ちなみに季節はすっかり人工の夏なので、ルチーナ、プルツーは半袖のカッターシャツに赤いネクタイをしめていたりする。  先生が神妙な面もちで口を開く。 「今回プルツーさんの保護者の方を呼んだのはほかではありません。彼女の成績の件で、お父さん、そしてお姉さんのルチーナさんにお話が会ったからです、、、、。」 「はあ、、、、。」 少し間の抜けた返事をするルチーナ。  なにしろ、 プルツーってそんなに成績悪かったかなぁ?  たまに見せてもらう、テストの結果は間違っても悪いとは言えなかったから。 「とりあえず、これを見て下さい。」 先生が何かをプリントアウトした紙を持ってきてロイに渡した。 「なに?」 気になったルチーナは、隣のプルツーに寄りかかるようにしてロイが貰った紙をのぞき込む。 「お、おい。」 プルツーが頬を微かに朱に染めて、不満の声を漏らすが、、、、。  ルチーナは無視して覗き続けた。  ロイがルチーナに聞こえるように口を開く。 「なになに。これはプルツーの成績表だな。」 「成績表?」 ルチーナの問いにロイが続ける。 「算数Aプラス、社会Aマイナス、理科Aプラス、体育Aプラス、図工Bプラス、音楽Aプラス、、、、」 「へぇ~。凄いんだプルツーは。」 プルツーがいかにもといった感じで口を開く。 「当然だろ。」  あ、このぉ。  ツンッ。 「自分で言わないの。」 ルチーナは笑顔で、プルツーの頭を小突いた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加