第一話「へたれ、プルツー」

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 身体に無重力を感じてから、どのくらい時間が経っただろうか。  機内専用のミュージックチャンネルを見ていたルチーナは、つまらない曲が流れたのをきっかけにH.M.D(ヘッドマウントディスプレイ)を外した。  やはり気になるのは、プルツーの朗読の進み具合。  視線を隣のプルツーに移動させると、読み終えたページが厚くなったドクターマンボウに目を通すプルツーが目に映った。  ルチーナが優しい目でそれを見つめていると、プルツーがピクリと反応した。 「あれ、ルチーナ。もうミュージックチャンネルは見終わったんだ。」  はは、、、、。 ルチーナが疑問を含んだ、笑いを漏らす。 「ぷるつ。もうって、何かな?」 それだけで、もうとってもプルツーが怪しかった。  ゆっくりと手を伸ばし、プルツーからドクターマンボウを借りて、、、、 「おいっ、ルチーナ。人が読んでいる物を途中で取り上げるなっ。」 取られた本人が抗議の声を漏らすが、ルチーナは「ごめんね」と行って無視する。  そして、中身に目を通してみると、、、、、。 『最新型モビルスーツ用オートバランサーの仕組み。』という題目が最初に目に入った。  ちなみにドクターマンボウというのは、一人の男がマンボウの医者と気球を使い地球を一周する話で、モビルスーツのオートバランサーという言葉とは縁もゆかりもない。  ルチーナがドクターマンボウと書かれている表紙カバーを外すと、、、、出てきたのは。  単色カラーで書かれた、『最新モビルスーツ設計理論』という題名だった。  そんなにこの手の本読むの嫌なのかなぁ、、、、。 ルチーナはそんなことを思いながら苦笑した。
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