第一話「へたれ、プルツー」

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「エルっ。」 懐かしさにルチーナがつい歓声を上げてしまう。  プルツーがルチーナの腕に引きずられて、振り返らされた。  ルチーナがふと、とある事を思い出して口を開く。 「あ、でも。ホテルで待ち合わせって言ってなかった?」 「ん~。そうだったんだけど。あたしが早く会いたかったからねぇ。  ちなみにみんなにも付き合ってもらっちゃった。」 ルチーナが楽しそうに後方に向けるエルの視線を追いかけると、、、、。 「モンドっ。イーノっ!」 こちらを見て笑いを噛み締めている、モンド=アカゲとイーノ=アッバーブが居た。 「ルチーナ久しぶり。」 「久しぶり。」 二人の挨拶に、笑顔で言葉を返すルチーナ。 「うん、久しぶり。」 彼らとはキケロ以来で、本当に久しぶりだった。  そして、イーノの隣には、、、、。  プルツーと冷たい視線をカチ合わせる、ストレートのデニムとイエローのシャツを着たビーチャ=オーレグが、、、、。  ビーチャが、目をしかめてプルツーに口を開く。 「いったい何しに来たんだよ。」 「何しに?」 プルツーがクスリと笑い。ルチーナにギューッとしがみつく。 「こ、こら。こら。」 ルチーナが驚いて声を上げるが、プルツーは無視してビーチャに口を開いた。 「お前にルチーナとの関係を自慢しに来たんだよ、バーカ。」  バチッ、バチッ、バチッ、バチッ! プルツーとビーチャの視線の間に熱い火花が散った。  ルチーナはとりあえず、この二人と自分の間に見えない壁を作り、苦笑しながらエルに尋ねた。 「ね。何でこの二人、いきなりムードが険悪なの?」 この質問に、エルもまた苦笑して答える。 「まあ、プルツーがルチーナの所に行く前に色々あったのは、ビーチャが変な引き金、引いちゃったせいだから。」 あ、なるほど、ね。  ルチーナはエルの説明と、先の「自慢しに来たんだよ」という発言を結びつけて、プルツーが何故「訳有り」と言ったのか理解する事が出来た。
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