抄太からのメール

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「自分でね、軽くなる髪型しようとしても…うまくいかなくて。いつも諦めるんだよね、」 「だから准…片っ方だけ髪ツンツンさせてんの?」 「……なんか、うまくいかなくてさ。伸びて揃えようと切ったらまた…」 「准らしいー!…てかさぁ、前髪切りなよー」 「………あー、うん」 「右目視力落ちちゃうよ?」 抄太は俺の前髪をあげると、びっくりした表情をして俺の顔を凝視した。 別に、隠してるつもりじゃなかったんだけど…。 ただなんとなく、今まで隠してた。 「…抄太?」 「……ごめん、」 「…なんで謝るの?」 別に、抄太が謝ることなんてない。 家では前髪あげてるし、気にもしてない。 「……別に、気にしてないよ?」 「………でも俺、」 ただ左右の目の色が違うだけで、少しだけ…人と違うだけだ。 もう今さら気になんか、していない。 「……抄太、こっち向いて?」 「………うん、」 抄太を抱きよせ、俺は抄太の鼻にキスをする。 「見て…俺のこと、嫌いになった?」 「ううん、准…好き。だぃすき」 「……良かった、」 「准は俺…嫌いに、なった?」 「………すごく…大好きだよ、」 「…うー……」 抄太が俺に抱きついてきたから、俺はソファーに身体を預けた。 そういや俺、抄太に自分のこと…あんまり話さないなぁ。 「……抄太、」 「………あのね准、」 「…なに?」 抄太は俺に抱きついたまま、言葉をつぐんだ。 少し掠れた甘えたような、可愛い声で…。 「……准のことね、また一個…知れて、嬉しい」 「…そうなんだね、」 「准のこと、いっぱい…知っていきたい」 「…俺も抄太のこと、知りたいよ?」 「……うん、」 「………抄太、好きだよ」 「…うん、」 ……あぁ、とても幸せだ。 もうこのまま時間が止まってしまえばいいのに。 >>To be continued...?
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