オープニング

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「警備員さ~ん。誰か面会来てなーい⁉」 彼女はたまに面会に来てくれる。 俺は鉄檻を揺らす。 「うるさい‼死ぬまで黙ってろ‼」 あ、そうだ俺は死刑になるらしい。 死刑になることは前から知っていた。 でもなんで死刑になるのかはわからない。 彼女は面会の時、『本当は犯人は違う人だ』と言うけれど、死刑を逃れそうにない。 俺は鉄檻を離し、床に落ちている一つの紙製のグライダーを手に取る。 このグライダーは、彼女の子供がくれたものだ。 この子供は俺の子らしい。 最初もらった時は、警備員に没収されそうだったが、なんとか安全を確認した上で持っていていい事になった。 このグライダーはなかなか出来がいい。
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