オープニング

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俺はグライダーを牢屋の端から飛ばしてみる。 軌道と飛びざまは一級品。 しかし案の定すぐコンクリートの壁に当たってポトッと落ちてしまう。 「あ~あ。そこの廊下で飛ばしたらずうっと飛ぶのになぁ~。」 わざと大きい声で言ってみる。 「・・・。」 「無視かよつまんない‼」 このグライダーを飛ばしている時と彼女と面会している時だけ、生きていると実感する。 きっと俺はこの壁の外に出た事はない。 あっても記憶がないから同じ事だ。 「No.223‼面会者だ。」 きっと彼女だ。 警備員が鉄檻の鍵を外すと、一目散に飛び出す。
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