マサシの場合

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最もらしい理由を並べて、彼女を追い詰める。 返事は急がせない。 あくまでも自分の気持ちは控えめに押す。 自分の頭の回転の早さに引きながらも、ここまでくると、純粋な思いからか、健一への対抗心なのか分からなくなってくる。 彼女が店を出た瞬間、どっと疲れが襲い掛かる。 「…僕は何をやってるんだかな…。」 溜め息と独り言が零れて落ちた。
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