マサシの場合

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振り返らないで良かった。 こんならしくない顔、見られなくて済む。 彼女は一番正しい選択を持ってきていた。 僕も健一もいないという答え。 「きっと、大人の男性にしたら、私なんてお遊びなんだって気付きましたから。」 彼女の言葉が胸に詰まる。 アサコさん…それは違うよ。大人の男だって同じように…恋をするんだよ。 立ち去ろうとする彼女に、好きなCDを渡した。 これには自分でもびっくりする。 執着しない僕が、彼女との接点を作っていた。 彼女にまた会いたい。 例えお客様だとしても。
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