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健一が離婚したという話が聞こえて来た頃、ユキが店にやって来た。
久しぶりに見る彼女は、穏やかな母の顔だった。
「健一ってわかりやすいでしょ?浮気は気付いてたけど…本気なのも気づいちゃった。」
僕は不思議に思いながらも頭にはアサコさんが浮かんでいた。
「だから、私から捨ててやったわ。子供もいるし、私は大丈夫。」
笑って話すユキは、とても強い女性だった。
結局僕らはみんなバラバラで、あの神様の言葉が聞こえてきそうな夜。
「本当に欲しいものはやらないが、大抵のものはくれてやる。」
ここは僕の店。
BAR「feel」
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