マサシの場合

24/24
前へ
/173ページ
次へ
健一が離婚したという話が聞こえて来た頃、ユキが店にやって来た。 久しぶりに見る彼女は、穏やかな母の顔だった。 「健一ってわかりやすいでしょ?浮気は気付いてたけど…本気なのも気づいちゃった。」 僕は不思議に思いながらも頭にはアサコさんが浮かんでいた。 「だから、私から捨ててやったわ。子供もいるし、私は大丈夫。」 笑って話すユキは、とても強い女性だった。 結局僕らはみんなバラバラで、あの神様の言葉が聞こえてきそうな夜。 「本当に欲しいものはやらないが、大抵のものはくれてやる。」 ここは僕の店。 BAR「feel」
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加