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夕焼け
カラスが鳴いてる。
『早く帰れ』って言ってるのかな?
カラスが鳴いてる。
空が消えてくのが淋しいのかな?
「百合っ!大槻先輩と進展あった?」
「全然。。」
「なんだよ。エッチしたのに正式に付き合ってないのはおかしいよ。百合から言っちゃったら?」
私はダメ。ダメなの。
おかしいなんて最初からわかってる。
先輩もわかってるはず。
だから、待ってる。
「私から言ったら、先輩嫌がるから...」
「だからってこのままじゃ進展しないじゃん」
「あ」
「あれ、大槻先輩じゃん。てか隣の女の子。百合のお姉ちゃんじゃん」
思わず隠れた夕焼けの帰り道。
遠くに見える二人の恋愛小説は完成していた。
先輩がうちに来た時、姉に紹介した。
その時からなの?嫌、そんなの嫌。
信じたくない。
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