曇り空

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曇り空

百合の華は太陽がないと咲かない。 百合の華は太陽がないと生きられない。 花に付く、虫達は花を枯らせ、捨て、新しい花をも枯らしてく。。 花が生きる可憐な時期、沸いて出るのが虫達。 太陽の暑さは虫達の身勝手に怒っている。 花、枯れ、花、枯れ。 何もできない太陽に、雲は悲しみの雨を降らす。 雲の涙。 虫は逃げ、逃げ切れなければ亡き殻へ。 雲の涙。 私は妹の部屋で立ち尽くしてしまった。 涙が出た。 まだ高校生の妹が傷付けられた。 しかも、害虫は可憐な花へ無惨な種を残した。 妊娠。妹が妊娠。 これから咲き乱れる花を枯らし、ズタズタにした。 男の名前は大槻。昨日、紹介を受けた。 曇り空。太陽を隠し、虫達に怒りをぶつける。 悲しい色の雲には太陽の怒りが入ってる。
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