戦火の予感

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男はふぅーとため息をつくとまた話し始めた。 「やっぱギルドとしちゃ~なるべく《大地の守護者》には頼りたくないんだよ…こちとらにもプライドって物があるからねぇ~大人しく白旗なんかあげらんねぇ~のさ。まぁスコールが無理ならしょうがないが…」 「まぁやってみるさ。」 スコールは男に負けた様に諦めた顔でいった。 すると男は更に真剣な顔で 「もう一つ悪い知らせがある…3匹のうち一体は人間の言葉を話すようだ…」 スコールは呆れたように 「踏んだり蹴ったりだな!」 そういって笑った。 男は心配そうな表情で 「もし無理そうだったら殺される前に戻って来いよ!そんときゃプライドもへったくれもねぇ~《大地の守護者》に連絡するからよ!」 「わかった。」 スコールはそういうとギルドを後にした。 ちなみに魔物が人間の言葉を話す場合かなりの長い時間を生きていることになり、そういう魔物は大抵、桁外れの知力と魔力を持っている。 ギルドを出て足早に街の外門を出るとスコールは周りに誰もいない事を確認して 「場所は南の山を2つ超えたトコか…」 スコールは地図をしまうと魔法の詠唱に入った。 《ワッ・クォー レイ・ブン》(天翔 黒鳥嵐飛) すると勢いよくスコールの体が空へと飛び上がった。 そして、スコールは更に加速してかなりの高速で任務地にむかった。 30分ほどで沼地に着くとスコールは魔法を解き着地し辺りを伺った。 「何か変だな…」 辺りをくまなく探したがヒドラの姿は何処にもない。 するとどこからか悲鳴が聴こえてきた。 「しまった。遅かったか…」 どうやらヒドラは村を襲っているらしい、スコールは 《ワッ・クォー レイ・ブン》(天翔 黒鳥嵐飛) 呪文を唱え急いで村へと向かった。 村の上空につくと、村の人々が村の一番奥にある岩壁に追い詰められていた。 ヒドラはまるで村人達が恐怖に脅えているのを楽しんでいるようにジリジリと村人に近づく。 スコールは上空で詠唱を始めた。 《ズルー・ズルー・ガー・ド・ナー 来れ炎の魔神 炎に愛されし炎の化身よ 契約に従い その力を 行使せよ 炎の壁にて我らを守れ 》 詠唱を途中で止めるとスコールは一気にヒドラと村人達の間に飛び降りた。 そして 《来れ 炎の壁 ガンズ=ロー(爆炎障壁)》 いっきに残りのスペルを詠唱すると爆炎の炎の壁がヒドラと村人達を遮断した。
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