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「物知りねぇ~そんなこと、みんな知るわけないでしょ?」
突然、人をかき分けて綺麗な知的な雰囲気をもったメガネをかけた女性がスコールに近づいて来た。
「あなた何でそんな事しってるのかな?まぁ秘密にしてる訳じゃないからいいんだけど…理事長の知り合いかなんか?」
女性はスコールに微笑みながら聞いた。
「あぁ昔少し世話になった…。そんなことよりあんたは?」
「あんたは失礼ね!私はここの教官をやっているキスティー・グレイマンよろしく!」
少し怒ったようにキスティーは答えた。
フ~とため息をつくとキスティーはボソッと
「なんか騒がしいと思ってきてみればねぇ~。それにここら辺にとんでもない魔力を感じたんだけど気のせいだったみたいねぇ~」
そう呟くと周りを見渡し
「ハイこれで終わり!どっちが悪いなんていわないけど、これ以上騒ぐならみんな仲良く停学にするわよ!」
そうニコリと言うと、周囲にいた人間はシブシブ解散を始めた。
「先生!理事長がエルフって本当なんですか?」
どこからともなく質問が飛んできた。
キスティーは、少し考えた後で
「えぇ本当ですよ!」
微笑みながら答えた。
そして、振り向くと少女に無詠唱で回復魔法をかけて手当を始めた。
無詠唱での魔法というのは魔力のコントロールが難しく更にちゃんと詠唱した時に比べて格段に魔力を使うので、それをサラリとやってのけた彼女は相当の実力者であるといえる。
「傷は大したことなかったようね。イヤな想いさせて悪かったわね。」
キスティーは哀しい顔で少女に謝った。
少女は
「大丈夫です!慣れてますから…。」
そういって笑った。
それを見てキスティーもニコッと笑って
「そう…。じゃあ速く手続きをしなさい。時間ないわよ。」
そういって学校の中に戻っていった。
「カバってくれてありがとう。人間に助けてもらったのは初めてで…」
そういうと少女は今までこらえていたのか瞳に涙を浮かべた。
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