2012人が本棚に入れています
本棚に追加
ミーアが更に話し掛けようとしたが、スコールはスタスタと検査官の方に歩いていった。
「君が最後だね。じゃあ手を水晶にかざして。」
スコールは言われるがまま、水晶に手をかざした。
「………?」
検査官は困った顔で聞いた
水晶に変化がない…
「君、ちゃんと魔力送ってる?」
「ハイ送ってます。」
ニコッとスコールは答えた。
「珍しい事が続くね…君はまだ属性が覚醒してないようだ…」
稀に何年たっても属性が身に付かないものがいる。
つまり無能力者だ。
「わかりました。もう結構です。」
そういって検査官は立ち上がると
「では、皆さん次は魔力測定です!突き当たりの部屋に移動してください!」
そういうと皆、次々と移動を開始した。
皆、口々に
「無能力者とエルフのコンビだってよ!お似合いだよな!」
スコールとミーアをチラチラ見ながら話している。
ミーアはスコールに少し気まずそうに
「わた…私気にしないから!だってスコールは魔力はたくさんあるわけだし…きっとその内…属性だって覚醒するわよ!」
「どうだかな…それに俺は気にしてないぞ?」
「そ…そう…?」
「ミーアこそ気にしすぎだよ!」
そういうとスコールは珍しくケラケラと声を出して笑った。
「…珍しい事が続くもんだ…こんな事、百年いや千年あっても起こるかどうか…」
先ほど魔力検査した検査官が一人、水晶を見つめていた。
水晶を見ると粉々に砕けていた…。
最初のコメントを投稿しよう!