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魔力測定室はガヤガヤとうるさかった。
時折、凄い測定結果が出たりするといっきにもりあがる。
その片隅でスコールとミーアは順番が来るのを待ち構えていた。
「シルフィ・ウィンフォード!100億ディガ!」
すると一際大きな歓声があがる。
これには、スコールも興味をそそられたらしく珍しく反応を見せた。
魔力測定はその人がもつ魔力の総量を測る検査だ。
魔力量が多ければ多いほど、高度な魔法が使える究極属性の最上級魔法ともなれば、一回に1000万もの魔力を消費する。
もちろん魔力が無くなれば例え初級魔法といえども使う事は出来ない。
もし、完璧に自分の魔力を使い切ると、それは…術者の死を意味していた。
魔力とは精神力と生命力の合わさったようなものなのだ。
ちなみにディガは魔力の単位の一つだ。
通常の人間の総量は平均で3億ディガなのでさっきのシルフィの魔量は新入生だけではなく一般的にみてもかなり凄いのだ。
「王室の者であればこのぐらい普通よ!」
シルフィは当然のようにスタスタと出口に向かった。
その瞬間、スコールにシルフィは気づいた。
シルフィ・ウィンフォードはこの国の王室の姫君であり…そう…スコール…いや「正義の番人」の素顔を知る数少ない一人であった。
シルフィはスコールの前に来て立ち止まると、とても嬉しそうにかつての友人に会釈をした。
周囲はざわつく…当然、一国の姫君が自分から頭を下げるのだから当然だ。
シルフィは周りの事など気にせず口を開いた。
「5年ぶりかしら…お元気にされていたようで、とても安心しました。」
「あぁシルフィも元気そうでなによりだ。」
ミーアはポカーンとした顔でこちらを見ている。
シルフィはスッと耳元に口を当てると小声で
「もちろん身分は隠すのでしょう?」
「あぁそのつもりだ。」
シルフィはスコールの身の上を知っているだけあって、最重要問題をまず確認した。
彼女の聡明さが伺える。
「同じ学校に通えるなんてスゴく嬉しいわ。あなたは目を離すとすぐどっかいってしまうから…」
スコールは少し苦笑いしながら答えた。
「まぁそういうな…当分どこにもいかないさ…しかしガキの頃のお前しか頭に無かったから最初はきづかなかったよ」
「私もよ…あなたは大して変わらないようね…あの頃の優しい目のまま」
「ありがとう。お前は少しイヤ大分キレイになったようだな」
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