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ミーアは移動中ズッとスコールの魔力検査の結果に何か引っかかりを感じていた。
検査室から大講堂までは徒歩で約15分ほどかかる。
《確かに朝はスコールに魔力を感じた…なのにスコールに魔力が無い…?“二人の秘密だよ!” スコールは魔力を隠している?何のため?それに魔力を完全に消す事なんて可能なの?》
最初は、混乱して訳の解らなかった頭の中が、段々整理されていく…。
やはりミーアはとても優秀だった。
短い移動時間の中で、今までスコールとした会話を、理解し、分解し、再構築しながら真実にたどり着こうとしていた。
彼女の導き出した答え…それは…
《スコールは何かを隠している?》
だった。
しかしミーアにはそれ以上の答えを導き出すスコールの情報が無かった。
ミーアが考え込んでいると、シルフィが話し掛けてきた。
「ミーアさん!急に黙ってしまわれましたが、どうなされたのですか?」
ミーアは少しためらったが、思い切って聞いてみることにした。
「しっシルフィさん、あの~なんていうか…スコールってホントに魔力無いんですか?」
シルフィの顔色をうかがうように聞いた。
シルフィは少し考えた後で
「でも…検査結果では…」
シルフィが答え終わる前にミーアは
「でっでも、おかしいんです!だって…」
ミーアは今朝の事をシルフィに話そうとしたが、スコールとの約束を思い出し言葉を止めた。
シルフィは少し間を置いてから
「気になるのですね…スコールの事が…」
ミーアは少し顔を赤らめて
「ちっ違います!ただ…検査結果の事がどうしても納得いかなくて…」
「そうゆうことを、気にするって言うのですよ。」
シルフィは優しく微笑みながら言った後で更に続けた。
「例えば、スコールに魔力があってそれをスコールが隠しているのだとして、それで、貴女とスコールの関係に何か変わりがあるのでしょうか?」
シルフィは優しく聞いた。
「変わりは無いですけど…」
「でわ、それでいいのです。魔力があったとしても、無かったとしてもスコールはスコールですわ!私達、友達…なのでしょう?」
シルフィがそういうとミーアは、何かすっきりした様子で
「そうですね…私ちょっと気にしすぎだったかも…」
そういって笑った。
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