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更にミーアとシルフィが話していると、ガヤガヤした廊下の先に大きな大講堂の入口が見えてきた。
「ウヒョ~でっけぇーなぁ~!アメリアお金持ちだな!」
フレアがふざけた様子で興奮している。
「スコール!急げ!一番前の席が取られちまう!」
フレアが言うと
「一番後ろの席でいいよ…俺は…」
スコールは冷めたように返した。
「一番後ろじゃ目立てねぇ~だろ?」
フレアはただ目立ちたいだけらしい。
「あっ!でも…一番後ろでカワイ子ちゃん探しってのも悪くないなぁ~悩み所だなぁ~」
フレアが深刻そうにいった。
スコールは疲れたようにため息をついた。
「ミーアちゃんにシルフィ!速くしないと一緒に座れねぇ~ぞ!」
フレアがミーアとシルフィを急かす。
シルフィは少しふてくされたように
「なんでミーアだけ《ちゃん》づけなのよ!」
「今さらシルフィ《ちゃん》なんて呼べるわけねぇ~だろ!まぁいいや先に行ってお前らの分も席取っとくよ!いくぞスコール!」
そう言うとフレアはスコールをズルズルと引きずりながら先に大講堂に入っていった。
「まったくフレアわ…」
シルフィは少し怒ったように言いながら大講堂の扉に手をかけると振り返り
「でもね…スコールは貴女の傷つくような隠し事や嘘はつかないと思うわよ。」
ニコッと笑いながらミーアに言うと大講堂の扉を開けて中に入っていった。
「…」
ミーアはなんて答えたらいいか分からず黙ったままシルフィに続いて大講堂に入っていった。
大講堂はとても広く教壇の周りに15000人ほど収容可能な半円形に生徒用の席が並んでいる。
「シルフィ!ミーア!ここだここ!」
フレアが大声を出しながら手を振ってミーアとシルフィに席を教える。
「恥ずかしい人ねぇ~」
シルフィは呆れたようにいうと席に向かった。
フレアは悩んだすえ、どうやら目立ちつつも周りも観察できる一番中央の席を選んだようだった。
「姫君!」
シルフィが席に到着すると、ドコからともなく聞き覚えのある声が飛んできた。
シルフィが声のした方を見ると、取り巻きのような連中の中からロザリオが現れた。
「先ほどは失礼致しました!忠実な姫様の騎士…いやっ姫君の剣、ロザリオ・ブラックでございます!」
スコール、ミーア、フレアは呆れた顔で様子を見ている。
「あっ貴方ですか…何のようですか?」
シルフィは面倒臭そうに答えた。
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