アメリア魔法学園

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「ありがとう。私が今日皆さんに伝えたいのは、私と皆さんがもし、仲良く出来るのなら人間とエルフは決して戦い合う運命ではないという事です!人間にも肌の色や髪の色、瞳の色に違いがあるように人間とエルフも形や体型に違いがあります。しかし、形が違うから争わなくてはならない決まりはありません。人間も…他種族もお互いに心を持った生物なのです。時に悲しみ時に怒り時に泣き時に笑います。どうか、皆さん!形の違いに目を曇らせず、真実の目で世界を見てください!曇り無き心の目をこの学園で磨いてください!確かに私達の心の中には憎しみの種があります。しかし、希望の種もまた心の中にあるのです!皆さんは憎しみの種ではなく希望の種を育ててください!皆さんにはその強さが勇気があると私は信じています!」 そういうとアメリアは少し間を置いて大講堂全体をゆっくり見回した。 「少し長い挨拶になってしまいましたが…最後に…」 そういうとアメリアはニコッと笑いながら。 「皆さんには、とても貴重でとても意味のある人物との出会いが待っています!名前は出せませんが…」 そういうとアメリアはスコールにサッと視線を送り、微笑み、そしてまた、素早く視線を元に戻した。 見ていた者が気付かない程度の一瞬の出来事だった。 「その人物は大きな悲しみと、大きな苦しみを背負いながらも、誰より真実を見抜く目を持っています。多少、ねじ曲がった性格も持ち合わせていますが…」 アメリアがニコッと笑ってそういうと…スコールは無表情ながら少しソッポを向いた。 フレアとシルフィはニヤニヤ、スコールを見た。 ミーアは不思議そうに様子を見ている。 ロザリオは…気付いていないようだ。 「是非、皆さんは表面的な事に囚われず、真実の目で観察しその人物を見つけてください!きっとその人物は皆さんの身近なトコにいますから…」 生徒達は意味が解らないのかザワザワと困惑した様子で話しを聞いている。 「私からは以上です。皆さんの未来に神の光と大地の加護がありますように。」 そういうとアメリアはゆっくりと教壇を降りた。 まだ、ざわめきが残る大講堂…。 「でわ、本日はこれで終了です!各自気を付けて帰宅して下さい。」 男の教官が大声でそういうと、生徒達はゾロゾロと大講堂を出ていく。
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