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ロザリオはまだまだ話し続ける。
「常に庶民の手本にならなくてはいけない大貴族ゆえの宿命…確かに思い返せば…計り知れない苦労と悲しみをこのロザリオ・ブラックは背負って来た…。その心情まで察してくれようとは…あのエルフなかなか侮れぬ人物だ!まぁ性格がねじ曲がっているとはあのエルフ無礼ではあるが…あのエルフの事だ…気を使ったのだろう。あまり誉められ過ぎると嫉妬する輩がいるからな。ますます侮れぬ人物だ!オイっ!そこのエルフに能天気に無口!」
「能天気だとぉ~?」
ロザリオがミーア、フレア、スコールにそういうとフレアはイラついたように声をあげ、ミーアとシルフィはポカーンとロザリオの顔を見た。
どうやらスコールは完全無視のようだ。
「フンまぁ今日のお前達三人の無礼は、許してやるありがたく思え!しかしお前達もラッキーな奴だ!偶然にもこのロザリオ・ブラックを探し出す事が出来たんだからな!ハッハッハッハッハッハッ!」
フレアは呆れた様子で
「シルフィ…やっぱ俺さっきの言葉取り消すわ…」
そういうとシルフィも
「わっ私も取り消しますわ。」
そういって二人はハ~っとため息を着いた。
ロザリオは、一通り話し終わると今度はシルフィに
「姫様!これで分かったように、このロザリオが姫様の剣である限り心配は要りません!ついては今日は城までお送りしましょう!」
シルフィは焦った様子で間を置かずに
「いえっ心配には及びません!今日は迎えが来る事になっているゆえ心配ありませんわ!」
「そうですか…それは残念です…でわ、校門までお送りしましょう!」
「いえっそれより大貴族の御曹司であれば日頃より疲れも溜まっているでありましょう?今日は速く帰れるのですから、ゆっくり身体を休めたらいかがですか?」
シルフィがそういうとロザリオは感激した様子で
「おぉなんとお優しい!自分の事より、このロザリオの身体を気遣って下さるとわ!ロザリオ・ブラック光栄の極みでございます!でわ姫様!姫様のせっかくのお言葉!このロザリオ大急ぎで屋敷に帰るとしましょう!では!」
そういうとロザリオは足早に帰っていった。
辺りを見回すとすでに人影はなく、大講堂はスコール達、四人だけになっていた 。
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