戦火の予感

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五分ほど男は奥の部屋で依頼を探すと、カウンターにまた姿を表した。 「二件お願いできるかな?」 スコールは拍子抜けしたように 「えっ?二件?もっと大丈夫だけど?」 男に聞くと男は 「今ある残りのクズネタはまぁこっちで探せるとおもうんだけど…」 男は少し躊躇った後でまた話し始めた。 「一件は、北にある山を越えたところに牧場があるんだけど牧場をオーガに乗っ取られたらしく牧場をとりもどすのが任務だ!ただ牧場主はオーガから逃げるとき金品を全て奪われてしまったらしく報酬は10クロウだ!」 オーガは人間に近い魔物で体は人間より二回りほど大きい、知力は低いが戦闘能力はかなり高く力が強い。 時に自分たちの倍以上の体格をもつジャイアントと呼ばれる種族を奴隷として使ったり倒して食べてしまう事もある。 魔物の中では総合的にはかなり下にランクされるが、油断して殺されたハンターも多い。 ちなみにジャイアントは巨人族の祖先ともいわれている。 「後これなんだが見てくれ!」 男はスコールに依頼書を渡した。 スコールは依頼書に目を通すと驚いた様子で叫んだ。 「ヒドラ?ヒドラがしかも3頭も?」 ヒドラとは猛毒を口から吐き出し攻撃するドラゴンの一種で頭が5つ多い物で100本の首を持つドラゴンである。 そして厄介な事に再生能力が非常に高く一本の首を切り落とすとそこから今度は二本の首が生えてくるのだ。 性格は凶暴で沼地に生息する。 ちなみに倒すには再生不可能なダメージを与えなくてはならない。 ギルドランクでいうと一匹のヒドラでAランクの依頼になる。今回は3匹なのでSランク位の依頼だ。 スコールは興奮気味に 「事と次第によっちゃあ《大地の守護者》に言ってガーディアンを派遣してもらうような案件だぜ?しかも、奴ら滅多に魔界からこっちに出てこないような奴らだ。」 ヒドラの様に上位の魔獸になると原産地は魔界と呼ばれる半異次元の世界である事が多い。 ただ上位になればなるほど魔界からでてくるのは稀になる。 「ちなみにこの事は《大地の守護者》には知らせたのか?」 男は困ったように 「実はこの依頼が来たのは、スコールが来るちょっと前なんだよ…依頼者はそのまま倒れちまったから病院に運んどいたが…」
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