戦火の予感

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その時急にヒドラが苦しい悲鳴をあげはじめた。 「なんだこれわぁ~」 ヒドラが絶叫するとスコールはそれに答えた。 「貴様らが浴びたのは炎でもなんでもねぇ~!貴様らが浴びたのは地獄の破壊酵素だ!その酵素を浴びると、お前らご自慢の新陳代謝が異常加速し細胞は分解、消費による燃焼を繰り返し体の内側から焼かれていく!自分の生命力の炎に焼かれて死ね!」 「くそ~再生が出来ん!悪かった助けてくれぇ~頼む!」 ついにヒドラは命乞いを始めた。 スコールは冷たく視線を送ると 「テメーらはそう言われて一度でも助けた事があるのか?」 スコールは少し間をおくと更に 「今度生まれ変わったら優しいドラゴンになれよ!」 そう言ってヒドラに背を向けると、ヒドラ達の体が段々と塵と化していき、最後には骨一つ血一滴残らず塵に帰った。 スコールが、村人たちの周りの炎の壁を消すと村の長老が話し掛けてきた。 「本当にありがとうございます。お陰様で村の者、全員が無事に生き延びる事が出来ました。」 そういって深々と頭を下げた。 スコールは軽く頷くと、 「それより、聞きたい事があるんですが…」 「なんでしょうか?」 「ヒドラはいつ頃現れたんだ?」 「今朝ですけど…それが何か?」 「その時、何か変わった事は無かったですか?」 「変わった事…ですか?」 「そうだ!」 「そうですなぁ~何も無かったと思いましたが…?静かなもんでしたよ。」 「静かだった?突風が吹いたり、地響きがしたりとかも無かったのか?」 「無かったと思いますが?」 「じゃあ何で沼地にヒドラがいるのが解ったんだ?」 「たまたまですじゃ!森に猟に出かけていた村の若い衆が見つけたのですが…それが何か?」 「それからスグにギルドに依頼を出したのか?」 「ギルドに依頼?はて?何の事ですじゃ?」 「なに?ギルドに依頼に来た人間がいるが村人じゃないのか?」 「なんと?村人は今いる人間で全員ですじゃ!」 「そうか…分かった…じゃあ、俺は帰る…元気に暮らせよ!」 「もう行ってしまわれるのですか?」 「あぁ少し急いでいるからな!」 そう言ってスコールが立ち去ろうとするのを長老が呼び止めた。
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