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呪詛とは、相手に強制的に何らかの行動をとらせたり、身体的に弱らせたり殺したりできる魔法である。
また、何かの約束を交わしたときに、裏切りを防ぐ為に用いたりもする。
呪詛魔法には互いの合意のもとにかけられた、転移魔法と同じ契約性の魔法と、片方の者の悪意にもとずく攻撃魔法の亜種とも言える特殊魔法の2つに基本的に分けられる。
後者の場合は、呪詛魔法への抵抗力によって退けたり、対抗する魔法によって打ち消す事も可能である。
ちなみに前者の場合は、契約内容が達成されれば自然と呪詛は消え去る。
魔法をかけた術者本人しか呪詛を解除する事は出来ない。
呪詛をかけられた者が一方的に解除する方法も無くは無いが…。
契約による魔法については、別の機会に詳しく説明しよう。
「そうですか…男は他に変な事を言ったりしなかったですか?」
「他にですか?そういえば…亡くなる間際に《話しが違う》といっていましたが…」
「《話しが違う》ですか…わかりました!お手間をとらせてすいません!少し他の患者さんや看護婦さんにも話しを聞きたいですが…」
「構いませんよ!気のすむまでどうぞ!私は患者さんを待たせてますのでこれで…」
そう言って医師はペコリと頭を下げると、診察に戻っていった。
スコールは念話で誰かと何やら会話すると、患者さんや看護婦に男の事を尋ね始めた。
スコールが病院で、事情を聞いている頃本部は慌ただしく、準備を整えていた。
「制服は式典用の物に着替えろ!準備が出来た奴から配置につけ!」
役職の者が怒号を飛ばす。
皆焦った様子で、駆け回っている。
「バカ野郎!ソコの絨毯は赤じゃなくて青だ! オイっそこのお前!お前らの部隊の装備は槍だ!鎧は銀じゃなくて金の式典用だといっただろう!」
何でこんな事になっているかと言うと、原因は実はスコールの命令にある。
「八帝は各々のガーディアンの隊長、副隊長を護衛につけ、本部正門より入場する事!また、招集できる隊員はすぐに招集し本部内に配置し出迎えに当たらせること!また、騒ぎが周囲の一般人に気取られる事の無いように、内密にかつ盛大に出迎える事!」
この無理難題ともいえる命令により、本部内は、出迎えの準備をするもの、事件や魔物の情報を集め集計する者でまるで戦場のような雰囲気になったのである。
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