2012人が本棚に入れています
本棚に追加
また通常、八帝の会議は《八帝の間》で行われ、下部の者には開かれる事も知らされず、八帝は転移魔法で《八帝の間》に入るので姿を見ることもない。
実際、下部の隊員達には八帝の姿を一度も見た事がない者も多い。
それが今日は、八帝が各々、正門から登場するのだからこの騒ぎになるのも当たり前なのだ。
更に、今日は今まで八帝やカイルなど一部の者しか見た事の無い《総帝》がくるのである。
もちろん、使われる部屋は一度も使われた事の無い名前すらつけられていない専用会議室である。
何せ《総帝》が本部に来る事すら初めてなのである。(厳密には一度来ているが…)
それでも、さすがはエリート中のエリートでありよく訓練された精鋭の隊員達である…《総帝》が指定した《一時間後》には、全ての準備を終わらせ整然と配置についていた…。
しかし、隊員達の顔は緊張感が漂い、興奮とも恐怖ともとれる表情を浮かべていた。
すると時間通りにまずは、《光帝 アメリア・コーネリアス》が登場した。
神々しい程、美しく透き通ったような白い肌をもったエルフの女性は、その金色の髪によく似合う、白を更に白くしたようなマントを着けて登場した。
その後ろには、真っ白いローブを着て、手には宝石がちりばめられた長めのメイスをもった男女が、一切隙のない見事な護衛の目を光らせている。
出迎えの隊員達は前列は膝まずき、後列の者は立ったまま敬礼をし出迎える。
出迎えの隊員達も一流の戦闘を極めし者である…一流だからこそ分かる頂点に立ちし者とのレベルの差、魔力の違い…戦闘能力の差…隊員達の顔に笑顔は無かった。
そのアメリアを最終的に出迎え案内するカイル・ギルティア…普段、見慣れたカイルの姿でさぇ、隊員達には遠く見えた。
次に入って来たのは、黄色いマントを来た背の小さなドワーフの男であった。
その男こそ《地帝 オルグ スーア》であった。
小さい体ながら、隆々とした筋肉はマントを来ていても隠せない。
そして…溢れる魔力…隊員達はまたもや言葉を失った。
また、先程の護衛の者と同じく隙の無い従者達は黄色い鎧を身につけ、手には大きな鋼で出来たバトルアックスをもっていた。
最初のコメントを投稿しよう!