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その真っ赤なマントはまるで彼の金髪で日焼けした肌、少し長身の体を燃やしているようにも見える。
彼の他の帝とは違う熱くそして畏怖の念を抱かせる魔力は彼の何がNo.2の所以であるかを皆に知らしめているようだった。
そのオーラは熱く忠実で実直、義理深く豪快そして何より真っ直ぐな嘘偽りなきオーラであった。
その従者は、燃えているような赤い鎧に大きな剣に大きな盾をもっており正に《炎帝》を象徴するような装いであった。
《炎帝》は、入り口から少し歩いたところで立ち止まると、隊員達に大きく敬礼した。
すると、隊員達も一斉に敬礼した。
一般的に若い指揮官というのは、若さゆえに軽んじられたり、軽視されがちなのだが《大地の守護者》の隊員達に、そのような素振りは見当たらない。
それは、一流の者のみが集められたこの組織だからこそのことだった。
一流の者達だからこそ、見た目や年齢に囚われずに相手を判断する…優秀な判断力を各自が持っている事を証明していた。
それゆえ《大地の守護者》の隊員達には、如何なる時も油断はない…それゆえ《最強》を感じさせる場面だった。
《炎帝》は、隊員達全員を見渡すように周囲を見回すとまた歩き出しエレベーターに消えていった。
暫くすると、かなりの長身の全身傷だらけ大男が入ってきた。
その腰には、大きな両刃の大剣を差し、手には伝説の武器をもち、異国のカラフルな鎧に身を包んでいた。
その威風堂々としたオーラは《風帝》と通じる物があった。
最後の《八帝》《武帝 ヘリワード ウェイク》である。
彼は、物理攻撃を得意とする異色の《八帝》である。
彼は、魔法剣の使い手である。
魔法剣とは、自分の持っている武器に直接魔力を込め攻撃したり、防具に直接魔力を込め防御したりする戦闘方法である。
普通の魔法と違い、魔法剣には魔力だけではなく膨大な体力も必要になり、才能や知識だけでは修得する事は出来ない。
確かな訓練と戦闘に裏打ちされた想像を絶する経験が必要とされる。
そして…恐らく八帝の中でも単純に武器の扱いで《武帝》に匹敵する者は一人もいないだろう…。
彼は悠然と歩いていった。
彼の従者も異国の鎧に身を包んでいた。
従者もまた、並々ならぬオーラを持って付き従っていた。
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