戦火の予感

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「待て…カイル!」 スコールはカイルを呼び止めて、更に続けた。 「とりあえずカイルも、今日は参加して欲しい…」 そういうとカイルは頷き、部屋の隅にある椅子に座った。 それを確認してからスコールはまた話し始めた。 「今日、集まって貰ったのは…少しキナ臭い事件が頻発しているからなんだが…皆は何か変わった事など気付いた事はないか?」 スコールが八帝を見回す様に質問した。 すると、《武帝 ヘリワード ウェイク》がすぐに答えた。 「あぁその事か…」 少し間を置きヘリワードは視線を《風帝 フィン マックンルー》に送り更に続けた。 「その事なんだか…実は我等も気になっていたのだ…。もう少し調査した後で我等も八帝を招集して相談しようと思っていた…」 そういうとヘリワードはフィンに言葉を預けるように目線をやった。 すると《風帝 フィン マックンルー》が口を開いた。 「ここ最近、大気の様子がおかしく、魔気の濃度が著しく濃くなっている…。」 「うむ。ワシも気にしておったのだ。やけに魔界ゲートが頻繁に開いているようじゃし…」 マーリンもそれに同調するように話した。 《氷帝 ミリア オスティア》、《地帝 オルグ スーア》、《光帝 アメリア コーネリアス》も同じ意見の様だった。 すると《地帝 オルグ スーア》も口を開いた。 「実は…ここしばらく南の国の方角のドワーフ達と連絡が取れず困っとる!南の国は貴重なクリスタル魔石の産地なんだが…」 そう言ってオルグは困ったように黙ってしまった。 すると、アメリアは驚いた様子でいった。 「あら…ドワーフもですか…エルフも…連絡が取れなくなっていまして…」 「横の繋がりが強い、エルフとドワーフがねぇ~。…なんかキナ臭いねぇ~。」 フレアが顔をしかめる。 スコールは軽く頷くと真剣な様子で話し始めた。 「とにかく、何かが起こっている…って事だ…」 そう言って今日あった出来事を説明しはじめた。 一通り話し終えるとスコールは続けて 「問題は…魔界ゲートが村の近くで開いたにも係わらず、村人がそれに気づいていなかったって事…」
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