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「だからこの事件はお前達を巻き込む訳にはいかない。今の俺じゃお前らを守りきれないからな」
俺は事件に関わる時は涼也達に危害が加えられないように注意を払って行動してきた。特に女性であるあかね達にはより注意を払って。
だが今の俺は勝田を捕まえるという事に固執しすぎている。もしかしたら他の皆に危害が及ぶのを食い止める事が出来なくなるかも知れない。だからこそ涼也達を今回の事件に巻き込む訳にはいかない。俺はどんな事があっても構わないが、大切な仲間が傷つくのは見なくないから……
「涼也、お前が止めようとも俺はやるぜ。『アイツ』の仇を取ってやる。それが俺が今『アイツ』に出来る唯一の事だからな」
「分かったよ」
俺がそう言った後に涼也が言った。
「ただこれだけは約束してくれ。絶対に生きて奴を捕まえるとな。もう大切な仲間を失いたくねえんだよ」
「涼也…」
俺は一言だけ、
『分かった』
と答えた。
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