プロローグ

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「たった今入った情報ですが、稚内特別刑務所から勝田清治(カツタ セイジ)が脱走したとの事です」 その言葉に俺は一瞬頭の中が真っ白になった。 勝田清治……俺はこいつの事を忘れる事は絶対に無いだろう。 日本中を恐怖に陥れた最悪の殺人鬼、そして、優哉をどん底に叩き落とした張本人……それが勝田清治だった。 「局長?」 荒井本部長の声で俺は冷静さを取り戻した。そうだ、俺が取り乱す訳にはいかない。 「それで?」 「急遽非常線を張りましたが、今のところ効果はありません」 「分かりました」 その後、少し話を続け俺は電話を切った。 「一体、奴の目的は何なんだ……」 俺の呟きに答えは返ってこなかった。
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