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涼也side
(ダリイ……学校サボろうかな…)
俺はそう思いながら眠気覚ましのコーヒーを飲んでいた。カフェインパワーで眠気に勝ちたいところだ。
コーヒーを飲みながらテレビの電源を入れ、ニュースに耳を傾ける。
「……稚内特別刑務所に収容されていた勝田清治被告が脱獄……」
俺は思いっきりコーヒーを吹き出した。
「嘘だろ……」
勝田清治……こいつのせいで俺とあかねは大切な友人であったあいつを失い、優哉はあいつを守れなかった事を酷く後悔し、絶望の淵叩き落とされた。
俺達3人にとって許せない相手。それが勝田だった。
(優哉…大丈夫なのか?)
俺の脳裏に優哉の顔が浮かんだ。
あかねside
「そんな……」
私はテレビの画面から目を離す事が出来なかった。
勝田清治の脱獄……その事が私に与えた衝撃は大きかった。
いや、私や涼也より優哉の方が衝撃は大きいに決まっている。
自分の大切な人を奪った相手なのだから……
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