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魔物は魔族が遺伝子操作をして作り上げた生物だ。
遠い昔のこととは言え、同じ失敗を繰り返さない魔族は魔物の生態を全て理解している。
今や魔物は人間だけではなく、魔族の存在さえ危うくさせるほどの脅威なのだ。
「お前、相当強い魔力を持った奴に魔力を分けて貰ったんだな」
分け与えられた魔力であの力って……すげぇな。分け与えることが出来る魔力はほんの少しだけだってのに。
「そりゃあ、オレの師匠は世界一の天才だからな!」
十志は胸を張った。
「そう言えば、無霧のことも師匠と呼んでいたな。何故だ?」
眉をひそめた教官が十志に聞いた。
火翼はハッとする。
そうだ。モブは俺を師匠と呼んだ。
「そ……っそれは、あまりにそっくりでさ……」
目をそらして言う十志を見て、火翼は首を傾げる。
「俺にそっくりで天才? そっくりでも全然違うぜ?」
「当たり前だ、馬鹿が。お前は全くやる気がないただのカスだろうが」
教官の目が冷たい。
「何言ってんだ。能ある鷹は爪を隠すって言うじゃんか」
十志が何故かフォローに入る。
「たとえ天才であったとしても、能力を発揮しなければ意味はない」
教官と十志は考え方が違うようだ。
2人がにらみ合っている中、火翼は十志が倒した魔物へと近づく。
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