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勇んで校内に入ったは良いが
職員室へはどうやって行くんだったかな…
早い話が迷子だ。
しかも一階は倉庫らしく物置ばかりだ
「まずったかな…」
仕方なく先がほとんど見えない廊下をぶらついていると
「……」
だれかがコソコソついてきてやがる
「オイ!コソコソしないででてきな。」
「びくっ!……」
俺がそう言うと柱の影に目の下にクマを作っている不健康そうな女の子がいた。
「なんでついて来たんだ?」
オドオドしててなんかはっきりしない奴だ
「職員室………教えてあげようと思った…けど…知らない人は苦手」
なるほど人見知りって奴だな
しかし職員室を教えてくれるらしい
女の子はどうやら親切な人のようだ
「俺は楢山 刹鬼
あんた名前は?」
「不動 王篭 フドウオウコ……だよ」
王篭…人のこと言えないがすごい名前だな
「それで?職員室の場所を教えてくれるんだよな?」
ちょっとはっきりしない王篭との自己紹介を切り上げて言う
「うん……でも……条件ある。」
頬を染めて言う
「条件?」
「私と…その……友達に……なって…」
「わかった!じゃあお前はこの高校での友達第1号だな」
頬を染めて消え入りそうな声で言う王篭に笑顔で返事してやると
俺の言葉にオウコは嬉しそうだった
「職員室の場所教えてくれてありがとな!」
振り返って王篭に言うと
「友達…なら……当然…」
オウコはニコニコして言う
オウコが同じクラスだと知るのは後のことだった
王篭の話だと職員室は離れにある別館らしい
王篭の言うとおり進むと確かにあった
職員室の内部の地図が貼り出してあるのであまり迷わずに行ける
「失礼します。」
俺は職員室の扉をあけた
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